MAKE INU

浅く広いけど物知りではない。いろんなジャンル、メジャーどころに手を出す、すきなものが多いだけの人。

濹東綺譚のうすい話

ぼくとうきたん。永井荷風。こういう、ちょっとガイドブック的要素の入った、もう生きてない人たちの本すきです。(ずいぶんと話の毛色が変わったね)ここで、そんなに内容について語るつもりはないし、わたしの知識じゃまだ語れないけど。

今もあれ読んでます、りゅうきょうしんし。驚くことに変換されなかった。成島柳北柳橋新誌第二編。一編はがちのガイドブックだから置いといて。まあ全然雰囲気というか、そういうのは全く違うけども。すきな街があるのっていいよね、そこについて評論書けるのも。わたしも謎に松山博士だから(愛媛県)書きたい。森ビルがおととし大街道・銀天街付近に建てたおしゃれな商業施設について、道後温泉に坊ちゃんマドンナが歩いてることについて、からくり時計について、ロープウェイ街について。今度まつやまの話、書こ。ほんと、この道後温泉あたりに目をつけた夏目漱石は最高だと思う。そりゃ彼の作品だいすきに決まってる。1番すきなのはこころだけど。今の松山を漱石がみたらどう思うんだろうね。夏目漱石の話も書こう。


さてさて。成島柳北の話を出したけど、あれはだいすきな街、柳橋日本橋から両国方面に下ったところ)が明治に入って変わっちまったなあっていう、風刺の性格も強い。そこがすき。向島の話は全部すき。

でも荷風は、その、花街を美しく美しく書いてる。美しくなくても、美しく書いてる。正直、この作品を読んでわたし、世界の見方が変わったって言ったら大げさだけど、そう言ってもいいくらい毎日が美しく思えるようになった気がする。美しいっていうか、なんか物語的な言葉で自分を取り巻くものが表現されるようになった。心の中で。

今のが唯一書きたかったことなんだけどね。一回読んでみてほしい、風俗を美しいものとして描く姿勢にたくさんの批判もあるけど、間違いなく世界をキラキラ輝かせてくれると思うよ。また頭の悪い言い方したけど。椎名林檎だって、お水のお店を開きたがってた。どうかとも思うけど。やっぱりこういう背徳的なのって魅力を感じてしまう。さっき書いた正義感とは別に。岡崎京子の漫画とか。


そういえば、ここの舞台になった玉の井あたりってほんとは高級住宅街だったらしくて。明治維新、震災後に花街になっちゃったそう。向島百花園の存在ってちょっと違和感あるもんね。そういうの考えると柳北読んでてすごくたのしい。そして、町歩きをすごくおすすめされる。隅田川沿い確かに歩きたいな。いろんな人がやってるもんね、入り組んだ路地を見たり。

あと、両国の話もすき!何かの作品ってわけじゃなくて。両国の由来、時々二洲って書かれ方してることにもあるように2つの国だってこと。相撲と花火だけじゃないんだなあと。我ながらすごく浅い。当時はまだ、日本の中に国がたくさんあったんだね。

あー、なんか柳北を読んでるところだからだろうけど、すごく面白いよ濹東綺譚と柳橋新誌一緒に読むの。明治維新で江戸から武士がいなくなって、そこからの派生とか!


その、なんていうんだろう。話がコロコロ変わって申し訳ないけど、荷風あたりの、明六社あたりの(時代の話ね。柳北は明六社を暗に批判してるもん。)、あの人たちの言葉の使い方は基本的にすき。古文も綺麗だけど、わたしはあそこまではできないから、この時代がすき。


もうわたし大学4年生だけど、この辺りを題材にした授業を片っ端からとって学校に行ってる。来季も通うつもり。環境と哲学と文学が三本柱。それプラス概論の法律学政治学をみてる。全部たのしい。たくさんのこと知りたいから大学院に進みたいけどひとつのものに絞れないから悩んでる。修士でやめたらいいんだろうけどね。一応受けるし研究室の授業も聴講してるけど、なんだかな。人生ってむずかしいよ。