MAKE INU

浅く広いけど物知りではない。いろんなジャンル、メジャーどころに手を出す、すきなものが多いだけの人。

フレンドシップ・デーの話


5/5。米軍基地の中にはいってきました。

通称ベースの祭。ベース行く?で通じる。この、ベースという呼び名はどちらかというと愛着を持っている人が使いがちだよね。自分も比較的そう。すきなものブログだもん。ひとつ言っておくと、ここでは、日米関係の話、トランプさんの話は全面的に伏せていくつもり。当時まだ10代半ばだったわたしがベースに愛着を感じていた理由なんて、この日米親善デーがだいすきだったことに尽きるからね。そんなゴールデンウィーク2017。


さて、わたしはオスプレイ話になるといつも槍玉に上がる某基地の近くに暮らしていたことがある。3年ほど、かな。今年は時間があったので、1泊2日でここ、岩国基地の祭に行って来た。コンクリ固めの構造だからか、この日はいつも暑く、日焼けスタートのイメージであって、匂いとか空気とか、そう言うのも暑かったはずなのに、今年は涼しかった。かるく雨まで降っていた。首を傾げつつも、なんだか絶妙にダサいプチプラTシャツや帽子、バッグ、ケバブにクレープを売る地元民なのかなんなのかわからない人たちの出店が並ぶ通りを抜けて、一見学校のような入り口を通ると、雨の中でも熱気が体を包む。

中ではたくさんのイベントが行われていて、その中心に行くまでは、基地内にもかかわらず謎の出店が性懲りも無く続いてて。遊戯王ポケモンみたいなもののカードがたくさん吊るされているところや、アニメのフィギュアが並ぶところ、アイドルグッズや写真に溢れたところ、なんだかそう言うものが多い。あれは何向けなんだろう。外人へ日本の文化を?って割にはテント内に全然外人いないし。

今年は福岡の実家から14歳の弟を現地集合で連れて行ったのだけど、まあ、楽しそうだった。よくわからないウルトラマラソンの怪獣のおもちゃを懐かしい!と欲しがるのでいくつか買い与えてみたり。大事にしてね。

そして、中心に近づくにつれ、奥の方にたくさんの飛行機が見えてくる。脇には、10メートルはあろうかという子供用エアー滑り台だとか(ショッピングモールにあるカラフルなのとはちがって、白地にピンポイントで印字してあるだけのかっこいい滑り台だ)、この祭の目玉である巨大ハンバーガーセットが売っていたり。そういうアメリカンな食事に混じって、よくみる唐揚げやポテト、クレープのお店を出している日本人も多い。道の真ん中ではみんな、レジャーシートを持ち込んだり、コンクリートだからって地べたに座り込んだりして談笑している。雨が降ったり止んだりするからお尻が濡れていたり。たのしそう。うちの弟もすぐ座り込む。わたしも楽しくなっちゃって、弟の欲しがるたべもの全部買ってきちゃったり。

ちょっと右奥の方に入ると、ブラスバンドがいたり。あれかっこいいんだよな。軍服のブラスバンド。前に少し有名になった人がいたよね、女の人で。星条旗よ永遠なれが、高校の体育祭なんかとは比べ物にならないテクニックと音量で聞こえて来てぞくぞくしちゃう。

そして飛行機。わたしは種類はよくわからないのだけど、わからないなりにウキウキする。(この前、友人に成田空港付近の航空博物館へ連れて行ってもらったのだけど、やはり見るのはたのしかった)そこらじゅうに迷彩の軍服を着た色素の薄いお兄さんがサングラスかけて長い銃を持って立っていて。皆が写真撮影を求めていたり。(多分その家族であろう綺麗な女性と、かわいいでは済まない天使のようなお子さんがまた軍服を着ていて、ミーハーな日本人の餌食になっている)

このお兄さんたちが驚くほどフレンドリーで。写真撮影を頼んだ時はもちろん、そうでなくともお茶目にポーズを取ってくれたり、弟の頭を撫でてくれたり。わたしも5年前は撫でてもらったな。なんか、時々感傷的な気持ちになることがある。最後にちょっと書くね。


他にも普通に大手航空会社のCAが立っていたり。高校生の時に、連れがCA志望の同級生だったことがあって、何度もカメラマンさせられたな〜ってなつかしくなった。

スパーク・Yとかかれた消防士のような格好の犬の着ぐるみが歩いていたり、テーマパークのようなビビットカラーの車、車といってもほんとにアトラクションのような、そういうものが走る中、奥へ奥へ進むと、なんか、肉フェスみたいな会場に辿り着く。本当に。地元のバンドの人とかが演奏してたり、ダンスしてる子供がいたり、あたりをぐるっと重そうな店が並んでいたり、熱気は最高潮。そして、時折耳がちぎれそうなくらいのジェット音が聞こえて、気持ちが高まってくる。


さあメインイベント。航空ショーがはじまる。正直、三半規管がめちゃくちゃ弱いわたしには辛い催し物だけど、やはり気持ち的には見ないと帰れない。高低差にも速度にも音にも弱い(これは三半規管って表現でいいのかしら)ことを恨みつつ、耳を塞いで空を眺める。ブルーインパルス。これしか名前はわからないけど。5つの機体が鋭角にびしっとならんで進む姿は圧巻としか言えない。ハートみたいなものを描いたり、くるくると回る演技を見せつけてくる。パラシュートが降りてきたかと思えば大きな星条旗に日の丸がふわふわと舞ってきて。隣のおじさんが日の丸が小さいだろ!と憤っていたけど。急上昇に180度旋回、中の人は大丈夫なのか心配したり。メカ系大好きな弟は大興奮。朝からお父さんの本棚から持ち出してきたエリア88読んでた人にはたまらないだろう。


、、たのしかった。

数年前から絶えないオスプレイ墜落、そして在日米軍の女性レイプのニュースを聞くたび。沖縄の基地問題が叫ばれる時。なんなら、岩国基地前でのデモを目撃した時。どうしてもなにか疑ってしまう。こうやって差別的なニュースや、時には日常生活で嫌な思いをすることもあるだろう、そういうのを浴びせられているのに、祭の彼らは優しい。わからない。でも、暴行してることも墜落も事実。どうしたらいいんだろう、この楽しい場もいつかはなくなってしまうのかな、と考えたり。

わたしは親類にアメリカ人がいるけど、なんならアメリカでおっきな農場経営して永住決めてるけど、どうなるのかな。

勝手に親近感持って、責めないでほしいっていうのは無責任だし被害を受けてる人のこと考えると何もできないけれど。

ひさびさに日米親善デーを体感できてよかった。多分、こういう葛藤があることも、ベースの祭に惹きつけられる理由なのかもね。でも、やっぱり、何もわからない。反米の人だっているんだから、親米の人もいていい。この気持ちを消さずにちいさく心に保っておこうかなと、それだけを思った1日だった。