MAKE INU

浅く広いけど物知りではない。いろんなジャンル、メジャーどころに手を出す、すきなものが多いだけの人。

まつやまの話① 道後温泉本館

愛媛県松山市。ふるさとってわけではないけれどわたしのだいすきな街。ほぼ毎年訪れているから頭の中におおまかな地図が出来上がってたりする、道後の商店街のひとつひとつの店がぼやーっと思い浮かぶレベル。結構すごいでしょ。


道後温泉は言わずと知れた名所なのだけど、わたしはこちらに何度もお邪魔していることを生かして、はじめて行く人へのアドバイスができるといいなあ。歴史とかはググってね。ホームページやwikiみてね。

あまり知られてない歴史としては、第二次世界大戦前、道後温泉のお湯がまわりを水路として回ってたから、それで洗濯したり、馬を洗ったりしてたって道後温泉本館徒歩5分くらいのところに住んでたおばあちゃんに聞いたことがある。ほんと、贅沢なお湯の使い方だ。


でもひとつ。千と千尋の神隠しをところどころ使うのでそれだけは認識しててほしいです。見てない人の方が珍しいのかもしれないけれど。


さて、ここのなにがすごいって何円払うかでお風呂と休憩所、サービスのレベルが4つの階級にわけられるところ。神の湯と霊の湯があって、それぞれに2つのレベルがある。(神の湯1階、2階・霊の湯2階、3階)

神の湯はいわゆる大浴場、霊の湯は少し小さめかな。霊の湯の方が値段的に高くて、特に霊の湯3階っていう1番高いものを選ぶと、個室に浴衣に貸しタオル、お茶菓子も坊っちゃん団子に格上げされる。その上、奥の漱石の使った個室に入ることができる。霊の湯2階はお風呂は変わらず、お茶菓子がおせんべいに、部屋が2階の大広間になるよ。


ただ、わたしのおすすめは神の湯。漱石坊っちゃんが作中で入った温泉は神の湯だし、この辺りで祀られてる玉の石をモチーフにした大きな円柱型の石からお湯が出てきて圧巻。霊の湯は神の湯に入った人にはすこし物足りないと思う。中でも神の湯2階が至高。大広間はまさに千と千尋の神隠しで、ちひろが寝ていたところに激似だよ。

あ、お茶菓子、おせんべい?って思うかもしれないけど、これはすごくおいしい。白い、メレンゲのような塊が瓦煎餅とよく合う。それに、これは個人的な話だけど、わたしは道後温泉の為だけにこのおせんべいを作る、ある小さな会社で職場体験をしたの。小学生の頃。あの思い出が強くて、ここのおせんべいのために毎日ああして働いている皆さんのことを思い出す。味も本当にいい。時々、瓦煎餅で残念、というような口コミを見かけるのだけど、ひとりひとり張り倒したいくらい。


ってことで神の湯2階に入ったとする。

まず、入り口、おおきめの電話ボックスみたいなところに係りの人がいるので神の湯2階を大人◯人、子供◯人と伝えて、チケットをもらいます。あ、その前に、釜じいの部屋みたいな棚がずらっと。靴箱だけど。ここに靴を入れて、神の湯2階って書いてあるカラーテープの上を歩いていく。外国人観光客向けのテープだと思うけど、ちょっと風情がない。ここで素通りする1階も悪くないからいつかいってみてね。で、突き当たりに昔ながらの変に体が伸びる鏡があって、そこの急な階段を上がって(すこし階下が見下ろせる吹き抜けみたいなところもあって)、大広間に。さらに奥に着替えるところがあるので、そこで浴衣に着替えて、ひとりひとりにお盆のような形の洋服入れがあてがわれているから、そこに荷物を全部置いて、貴重品だけ持って階下へ。大広間手前側に古い銭湯みたいな炊事場があるからみてるとたのしいよ。まあとにかく外国の方が多くて気後れしちゃう。

そこからは温泉を楽しんで。坊っちゃんは大浴場を泳いでいたけれど、今の時代人のいない道後温泉なんて従業員くらいしかみられない、泳ぐなんてぜったい無理。お湯はかなり熱めなのでゆっくりはいってね。

そして、出てくるとお茶とお茶菓子が用意されてるので時間の限り楽しむ。おせんべいもよく味わってもらえると◎外を見ると、石畳を歩く人たちが見えて、運が良ければあちらこちらを歩く坊っちゃんとマドンナの衣装の若者が(アルバイトらしい)道後温泉本館の中から見える。ちょっと気分がよかったり。

ちなみに、霊の湯2階の場合もそう変わらないよ。3階の人と同じ湯船に浸かれるだけ。決して霊の湯が良くないわけではないし、入る価値のある温泉には間違いないからぜひこちらも。


わたしの場合、これらすべての行程が済むと、又新殿という、昭和天皇が入浴された特別な温泉を見ることが多いかな。温泉らしさが全くなくて面白い。あと、お手洗いが教科書でしかみたことのない形だったり。(ちなみに、未だ誰にも使われてないらしい)お湯も1回しかいれたことないだとか。

それでとりあえず終わり、あとは外に出て、左に回ると先述の玉の石の本物があるから、看板に書いてある通りの作法で柄杓のお水をかけてお祈りしましょう。さらにぐるりと回ると先程の又新殿の入り口があって、外からみてもおもしろいよ〜。


それくらい、かな?そういえば、一昨年くらいに蜷川実花道後温泉のコラボっていう恐ろしいものがあって、風情ある建物が外も中もビビットなボタニカルで埋め尽くされたことが(笑)あれはあれで、なんだかちぐはぐで素敵だった。


道後温泉行きたくなってしまった。

忘れたころに、まつやまシリーズ書いていこうかな。ロープウェイ街に坂の上の雲道後温泉商店街に奥道後、道後館、坊っちゃん列車、からくり時計、路面電車松山城のお堀、英国風ホテル、硝子の美術館、、、

ちょっと違うとこで砥部焼。愛媛は最高!みかんのうたを熱唱したいね。